その5.入眠障害でもハイプナイトを飲めない人がいます

ハイプナイトの併用禁忌

「寝付きが悪くて、朝起きるのが大変」
「布団に入ってもなかなか眠れない」
「眠れなくて、疲れが取れない」
など入眠障害を発症し、睡眠薬を服用するか悩んでいる人は多いと思います。

しかしすべての人が、ハイプナイトを服用できるわけではありません。
医薬品には服用できない人や、併用すると危険な薬があります。

今回は、ハイプナイトの併用注意・禁忌を紹介します。
ハイプナイトを飲む前に、自分は飲んでもいい薬なのか確認しましょう。

ハイプナイトの併用注意・併用禁忌薬

医薬品は、併用注意や併用禁忌薬があります。
ハイプナイトにも、一緒に飲んではいけない薬があるため普段から薬を飲んでいる人は注意が必要です。

【ハイプナイトの併用禁忌薬】
・筋弛緩薬
・中枢神経抑制剤
・アルコール
・麻酔薬(チアミラールナトリウム、チオペンタールナトリウムなど)
・肝薬物代謝酵素・CYP3A4を誘導する薬剤(リファンピシン)
・薬物代謝酵素・CYP3A4を阻害する薬剤(イトラコナゾール)
上記の薬を服用中の人は、ハイプナイトを飲んではいけません。

筋弛緩薬や中枢抑制剤は、薬の作用が増強する可能性があるので併用注意に指定されています。
麻酔薬に使われるチアミラールナトリウムやチオペンタールナトリウム製剤は、呼吸抑制になる可能性があります。
呼吸抑制とは、意識レベルが低下し記憶力や言語能力の障害など認知機能障害が起こる状態のことを指します。

肝薬物代謝酵素・CYP3A4を誘導する薬剤や阻害する薬剤は、成分の代謝を促し薬の作用を弱くしてしまう可能性があります。
普段から薬を服用している人は、かかりつけの医者に相談しましょう。

ハイプナイトを服用できない人

ハイプナイトを服用する前に、持病がある人は注意が必要です。
【ハイプナイトを服用できない人】
・有効成分のエスゾピクロンに対してアレルギーの既往症がある人
・急性閉塞隅角緑内障
・重症筋無力症

上記の人はハイプナイトを服用できません。

急性閉塞隅角緑内障の人が服用すると、筋弛緩作用によって症状を悪化させてしまう可能性があります。
重症筋無力症の人は、抗コリン作用によって眼圧が上がり症状を悪化させる場合があります。

【ハイプナイトを服用する場合、医師に相談が必要な人】
・肺性心
・肺気腫
・気管支喘息および脳血管障害の急性期などで呼吸機能が高度に低下している場合

上記の人はハイプナイトを服用できませんが、医師の診断によっては慎重投与が可能です。

他にもハイプナイトを服用できない人がいるため、持病をもっている人はかかりつけ医に相談してください。

【年齢別・注意事項】
・新生児(生後0日~27日)は服用させない
・高齢者(65歳以上の方は、服用前に医者または薬剤師に相談が必要)

新生児や高齢者は、できる限りハイプナイトを服用しないでください。
高齢者の方で不眠に悩んでいる人は、医師に相談しましょう。

妊娠中・授乳中はハイプナイトの服用注意

ハイプナイトと妊婦
ハイプナイトを妊娠中・授乳中の女性が服用するときは、胎児への影響を考える必要があります。
・奇形をおこしやすいのか
・薬の成分が胎児に届くことでどんな影響が出るのか

睡眠薬は今まで口唇口蓋裂のリスクが高いといわれていました。
【口唇口蓋裂とは?】
先天性異常のひとつで、胎生4~12週頃になんらかの異常が生じて、口唇や口蓋(口の中の天井部分)、歯茎に割れ目ができる症状

いまだ因果関係はハッキリと分かっていないため、リスクは少ないと考えられています。
奇形を引き起こす可能性は低いと言われています。
しかし安全性が確立されていないため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ服用できます。

妊娠中の女性で不眠が気になる方は、かかりつけ医に相談しましょう。

授乳中の女性は、服用を避けることが望ましいとされています。
やむを得ず服用する場合は、授乳を避けましょう。

薬の成分は、母乳を通して赤ちゃんに伝わります。
しかし、ハイプナイトは超短時間睡眠薬のため母乳への濃度も薄くなりやすく、授乳中に使いやすい睡眠薬だと言われています。

ハイプナイトを服用しながら、母乳で赤ちゃんを育てる場合、赤ちゃんも薬の成分を少しでも服用していることと同じです。
乳児健診で体重が増えていない、元気がないなどの異常がみられた場合は、医師と相談しましょう。

いかがでしたか?
今回はハイプナイトを服用できない人・注意が必要な人のお話をいたしました。
誰でもいろいろな薬を飲んでいいわけではなく、注意や禁忌の薬があります。
また、持病を持っている方や妊娠中・授乳中の女性も注意が必要なのです。

不眠を治す為に、大きな病気を引き起こすことはしたくないですよね。
早期治療は大切なことですが、自分を守るためにも薬のことをしっかり知って服用しましょう。

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