その6.睡眠薬・ハイプナイトの依存性

ハイプナイトの依存

「睡眠薬を飲んだら依存してしまうのでは?」
「また眠れなくなるのは嫌だ」
「薬が無くては生きていけない」
など依存性について不安や悩みがある人は多いですよね。

睡眠薬の依存性はタバコやお酒より強くはないと言われています。
しかし場合によっては不眠の症状を悪化させる場合があるのです。

薬は不眠症を根本的に治療するものではありません。
不眠を改善するための一時的な方法や手段に過ぎないのです。
この先ずっと、睡眠薬に頼って生きるのは嫌ですよね。

第6回目は気になるハイプナイトの依存性について紹介します。
睡眠薬を飲んでいる人や飲もうか考えてる人へ、依存する可能性があることをぜひ知って欲しいのです。

睡眠薬の2つの依存

睡眠薬の依存には大きく分けて2つの種類があります。
①精神的な依存
睡眠薬で不眠が解消されたのに、飲むことをやめたらまた眠れなくなるかもと精神的に不安になる状態。
はじめて睡眠薬を飲んだ時に、薬のお陰で大きく助けられた人が陥りやすい依存です。
薬への信頼が高くなっているため、手放せなくなるのです。

②身体的な依存
体が薬のある状態が正常だと思い込んでしまう状態。
体から薬の成分がなくなると、異常と判断してしまうのです。
その結果、極度の不安やいらいら、不眠の症状が起こってしまう状態をいいます。

精神的依存

不眠で眠れない夜を過ごしてきた人が睡眠薬を飲むと、今までの不眠の症状が無かったかのように楽に眠れるようになります。
薬を飲むだけで苦しい状況から打破でき、薬への執着心が芽生えてしまうのです。
・薬を止めたらまた眠れなくなる
・また苦痛な生活に戻る
など不安にかられてしまい、薬を手放せなくなるのです。

夜眠れなくなることへの恐怖と不安から睡眠薬を手放せなくなります。

身体的依存

身体的依存は、薬を止めると禁断症状が起こってしまい、止めることができない状態をいいます。
睡眠薬のほとんどが脳内のGABA受容体に作用するベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

このタイプは脳のGABA受容体に作用することで、
・睡眠
・抗不安
・筋弛緩
・抗けいれん
などに働きかけます。

睡眠薬を飲み続けると、GABA受容体が刺激されることが当たり前になってしまい、薬がない状態を体の異常と勘違いするのです。

睡眠薬を止めると、体が異常事態だと勘違いし不眠や極度の不安などの症状を起こしてしまいます。

ハイプナイトに依存しないためには?

依存しない方法
睡眠薬は長期的に服用すると、体が慣れてしまったり依存する可能性が出てきます。
どうすれば、依存せずに睡眠薬を止められるのでしょう。
ハイプナイトに依存しないための4つのポイントを紹介します。

他の睡眠薬と一緒に飲まない

ほとんどの睡眠薬は、服用を開始して1週間ほどで効果が現れるといわれています。
1週間以上服用しても不眠の症状が改善されない場合、薬が合っていないということ。
サプリメントや市販の睡眠改善薬を併用せずに、かかりつけ医と相談したり違う薬に変更しましょう。

急に服用を止めない・増やさない

睡眠薬の依存性が怖くなり、急に服用を止めるのは危険です。
急に服用を止めると、離脱症状が起こってしまいます。
不眠に対して不安が強くなったり、不眠の症状を悪化させる可能性があるのです。
急に服用を止めたり、決められた用法・用量異常に服用すると依存に陥りやすくなってしまいます。
自己判断で薬の服用を止めたり、決められた量以上の服用はしないでください。

アルコールと一緒に飲まない

アルコールと併用してしまうと、依存性を高めてしまいます。
なぜならハイプナイトとアルコールは、働きが似ているため。
2つの成分に体がすぐ慣れてしまうのです。

体内から薬やアルコールが抜けると、心身の不調がおきてしまい精神的にも依存が形成されてしまうのです。

ハイプナイトを服用する場合は、飲酒を避けましょう。
飲酒した後でも時間を空けると、ハイプナイトを服用できることもあります。

簡単に乱用しない

短時間型や超短時間型の睡眠薬は、依存しやすいと言われています。
ハイプナイトは、超短時間型の睡眠薬。
毎日服用することは、なるべく避けましょう。
・布団に入って1時間以上たっても眠れない日は飲む
・休日の前の日は睡眠薬なしで眠ってみる
など続けて服用するのが習慣化しないように工夫すると、依存を避けることができます。

ハイプナイトの減薬方法とは?

睡眠薬で不眠が解消れても、急に飲むことを止めるのは危険です。
離脱症状が起きてしまい、不眠の症状が強くなる場合があるのです。

依存をせずに睡眠薬を減薬する方法。
それは急に止めるのではなく、徐々に服用量を減らす事がポイントです。

【薬の量をゆっくり減らす方法】
①眠れる状態を維持しながら、1週間~2週間かけて服用量を半分~4分の1へとゆっくり減らしていく
②眠れる範囲のぎりぎりまで量を減らすことができたら、睡眠薬の服用を1日おきに減らしていくす
③睡眠薬を服用しない日を作り、薬を飲まなくても眠れる自信をつける

徐々に服用量を減らすと、依存することなく睡眠薬を止めることができるでしょう。
いかがでしたか?
今回はハイプナイトの依存についてお話しました。
次回は、睡眠薬がなくても自然に眠れる不眠症のセルフケアについて紹介します。

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