その3.ハイプナイトの飲み方

ハイプナイトの飲み方
「薬を飲んで効果がなかった」
「もっと効果のある薬がほしい」
なんて思ったことありませんか?
それは、薬の飲み方が間違っているのかもしれません。

医薬品には基本の用法・用量があり、飲み方が決まっています。
間違った飲み方をしていると、薬の効果を消している可能性があるのです。

第3回目は、入眠障害に効くハイプナイトの飲み方について紹介します。

1日1回、就寝前に服用しましょう

ハイプナイトは超短時間型の睡眠薬です。
成分の代謝が早く、服用から30分~1時間で効果が出始めます。
服用する時は、就寝する準備を整えてから飲みましょう。

服用量 1日1回
服用のタイミング 就寝前
服用量 1回1錠(最大3mgまで)

服用する際は、水またはぬるま湯で服用しましょう。

ハイプナイトは、成分の含有量によって1mg・2mg・3mgから選ぶことができます。
はじめて服用する場合は、1~2mgから飲みましょう。

高齢者や肝機能障害・腎機能障害がある人は、薬の効果が強まってしまう可能性があるため1mgを服用しましょう。
健康的な成人の場合、最大服用量は3mg、高齢者や肝機能障害・腎機能障害がある人は2mgまでと決められています。

食事は早めに済ませる

ハイプロンを服用する時は、夕食を早めに摂りましょう。
有効成分・エスゾピクロンは、食後すぐに摂取すると成分の吸収が遅いため効果が出づらくなってしまいます。
ハイプナイトの特徴である、即効性が低下し入眠作用が弱まってしまうのです。
食事の最中や食後すぐの服用は避けましょう。

先発薬のルネスタの臨床実験によると、800kcalの食事をした後にルネスタ3mgを服用した場合、効果が現れるまでに3時間ほどかかったという結果が出ています。
入眠障害で悩んでいる人にとって、ハイプナイトの即効性が薄れてしまうのは大きな問題になりますよね。

また、就寝前に食事をすることは睡眠を妨げることがあります。
ぐっすり眠るためには、早めに夕食を済ませましょう。

アルコールとの併用は止めましょう!

アルコールと一緒に飲んでしまうと、薬やお酒が効きやすくなってしまう可能性があります。
薬の効果が不安定になることもあるので、一緒に飲むのは止めましょう。

ルネスタとアルコールはどちらも脳の中枢神経を抑制する作用があります。
一緒に飲んでしまうと脳の機能を低下させてしまうのです。
またどちらも肝臓で分解される成分です。
肝臓は一気に分解できず、少しずつ分解します。
そのため朝まで薬の効果が残ってしまい、意識が中途半端になったり健忘やせん妄の症状が起こりやすくなってしまうのです。

アルコールを飲むと眠りやすくなると考える人は多くいます。
確かに眠りやすくなりますが、浅い眠りになり睡眠の質を下げてしまいます。
質のいい睡眠にアルコールは適していないのです。

ハイプナイトの効果を十分引き出す飲み方

ハイプナイトの効果・のみかた
せっかくハイプナイトを飲むなら、しっかり効果を実感したいですよね。
そのためには、正しい飲み方や使い方をするのが大切。
効果を得るために、次のポイントを守りましょう。

1.就寝前に服用する
ハイプナイトは、超短時間型の睡眠薬。
服用後30分で効果が出る場合もあります。
眠りたい時間を計算して服用しましょう。
なにかやることがある場合は、用事をすべて終わらせてから服用しましょう。
効果が早く現れるので、ハイプナイトを服用後に機械や車の運転は止めてください。

2.カフェインやニコチンの摂取を控える
お茶やコーヒーに含まれるカフェインや、タバコに含まれるニコチンは脳に刺激を与えてしまいます。
カフェインはチョコレートやドリンク剤に含まれることもあるので注意が必要です。
夕方以降にコーヒーやお茶を飲むのは控えましょう。

3.睡眠によい生活習慣を心がける
睡眠の質を高めることで、不眠の症状が緩和する場合があります。
以下の3つのポイントを意識してみましょう。

①体内時計のリズム
毎日決まった時間に食事をとったり、同じ時間に眠りに入ることで体内時計のリズムが整います。
②体温
体温が高い所から下がる時、眠りにつきやすいと言われています。
寝る前に白湯を飲んだり、ホットミルクを飲んで体を温め、眠りについてから熱を逃がす工夫をすると、眠りやすくなります。
③自信
眠れないと不安になっている場合、ますます寝付きが悪くなってしまいます。
眠らなきゃと思っていると、不安になってしまいますよね。
あまり気にせずに、眠れる自信を持ちましょう。

いかがでしたか?
今回はハイプナイトの飲み方について紹介しました。
正しい用法・用量を守ることで、薬の効果を最大限に引き出すことができます。

また、睡眠にとっていい生活習慣を心がけることも必要です。
今回だけでは伝えられなかったことがあるので、それはまたの機会に。

次回は、良いことだけじゃないハイプナイトの副作用を紹介します。

 

その2.入眠障害に効くハイプナイトの効果

ハイプナイトの効果
ハイプナイトは先発薬・ルネスタのジェネリック医薬品です。
即効性に優れているため、入眠障害に使われることが多い睡眠薬。
「寝つきが悪い」
「ベットに入ってから何時間も眠れない」
などの睡眠障害で悩んでいる人にオススメの睡眠薬です。

薬の成分のキレがいいので、翌日まで眠気を持ち越さないというメリットがあります。
副作用が少ないことから、睡眠薬を使い慣れていない人でも使いやすい薬なのです。
第2回は、入眠障害に効くハイプナイトのお話をさせていただきます。

ハイプナイトの効果

ハイプナイトは、睡眠薬の中でも入眠作用に優れている超短時間型の睡眠薬です。

効果が出始める時間 服用後30分~1時間
効果の作用時間 約5時間

服用して30分~1時間程で効果が出始め、約5時間持続します。

ハイプナイトは、脳の機能を低下させる作用で、睡眠を促す睡眠薬。
脳を強制的に睡眠モードへと促すので、疲れきって眠ってしまう時のような感覚で寝つけます。
即効性が高く入眠作用に特化していることから、睡眠導入剤と呼ばれることもあります。

ハイプナイトは脳へ直接作用する

ハイプナイトは脳内の活動を抑えることで眠りやすくする作用があります。
脳内物質・GABAの働きを助け、脳が感じる緊張や興奮などを和らげます。
過敏になっている脳を落ち着かせ、睡眠への切り替えを促してくれるのです。

GABAは体内で生成され、リラックスに影響する物質。
日常生活でストレスを抱えていると、GABAが働き過ぎて不足してしまいます。
GABAが足りなくなってしまうとリラックスできず、緊張や興奮が続くのです。
ハイプナイトはGABAの増加を促し、脳が感じるストレスを緩和。
強制的に眠りやすくする働きがあります。

ハイプナイトの作用時間

ハイプナイトは成分の代謝が早く、服用から1時間後には効果のピークに達します。
作用の持続時間は、5時間程度。
・早く眠りにつける
・翌朝に眠気やだるさを残さない
体内から成分が無くなるまでの時間も短いため、日中の活動に影響が出にくいのです。
睡眠時間が一定の間確保できるので、中途覚醒の改善にも効果が期待できます。

タイプ 効果のピーク時間 作用時間
超短時間型 1時間未満 2~4時間

ハイプナイトは、超短時間型の睡眠薬のため入眠障害に有効なのです。

ハイプナイトを選ぶメリット

ハイプナイトのメリットデメリット
【ハイプナイトのメリット】
1.深い睡眠ができる
2.翌朝のふらつきや眠気などの副作用が少ない
3.依存性が低い

1.深い睡眠ができる
ハイプナイトは深い睡眠を増加させる作用があります。
睡眠の途中で起きることが少なく、ぐっすりと深い眠りにつけます。

2.翌朝のふらつきや眠気などの副作用が少ない
ハイプナイトは睡眠だけに作用します。
筋弛緩作用や抗不安作用が少ないため、ふらつきや転倒などが起こりにくい睡眠薬です。

3.依存性が低い
依存性が全くないわけではありませんが、ほかの睡眠薬と比べ依存が形成されにくいことが分かっています。

ハイプナイトを選ぶデメリット

ハイプナイトは安全性が高いと言われていますが、メリットだけではありません。
もちろんデメリットもあるので、注意が必要です。
【ハイプナイトのデメリット】
1.種類が少なく超短時間型しかない
2.効果が中等度
3.健忘の副作用

1.種類が少なく超短時間型しかない
ハイプナイトは非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬です。
種類が少なく、すべて超短時間型しかありません。
ほかの睡眠薬は作用時間や効果の強さから選べますが、非ベンゾジアゼピンの睡眠薬は3つの種類のみです。

2.効果が中等度
副作用が穏やかな薬は、効果も穏やかです。
不眠の症状が重度の人には、効果が出ない場合もあるのです。

3.健忘の副作用
超短時間型の睡眠薬は、健忘の副作用が出やすくなっています。
健忘は薬を服用した後の記憶が抜け落ちてしまうことです。
朝起きると自分では覚えていないメールや電話の履歴が残っていたり、食べた覚えのないお菓子のゴミがあったりします。

今回は、入眠障害に効くハイプナイトの効果について説明しました。
いかがでしたか?
このサイトで睡眠や不眠症、睡眠薬について少しでもご理解いただければなと思います。

睡眠薬は奥が深いため、今回だけではハイプナイトの説明が終われません。
よって次回は、ハイプナイトの飲み方についてお話します。
じつは薬の飲み方によって、効果が変わったり副作用が出やすくなってしまいます。
薬はただ飲めばいいわけではなく、正しい飲み方があるんです。
正しい飲み方をしって、効果を実感しましょう。

その1.不眠症になる原因とは?

不眠

「眠りたいけど眠れない」
「夜中に起きてしまい、それから眠れなくなる」
「もっと眠りたいのに、朝早くに起きてしまう」
など日本人の5人に1人は不眠で悩んでいるといわれています。
眠りたいのに眠れないのは、精神的にも肉体的にも苦しいですよね。

不眠症は以下の4つに分けられ、寝つきが悪い・夜中に起きてしまうなどの症状が1ヵ月以上続いてしまうことをいいます。
【不眠症の種類】
・入眠障害
・中途覚醒
・早朝覚醒
・熟眠障害

十分な睡眠がとれずに、昼間に集中力や食欲、意欲、倦怠感が低下してしまい体に不調が現れてしまうのです。

当サイトは、眠れない日々を過ごし悩んでいる人へ少しでも症状が改善できたらと思い作成しました。
第1回目は、不眠症になる5つの原因についてお話しします。

不眠症になる5つの原因

不眠の原因
生活習慣や仕事のストレスなど、人によっていろんな原因が考えられ個人差があります。
【不眠の原因】
・大きな悩み事やストレスが影響する心理的な原因
・かゆみや痛みで眠れない身体的な原因
・精神疾患で眠れない精神医学的な原因
・薬の副作用でおこる薬理学的な原因
・体内時計や加齢の変化でおこる生理学的な原因

眠れない原因を知ることで、治療方法が分かる場合があります。
当てはまる項目を確認してみてください。

心理的な原因

精神的なストレスは、睡眠と深いかかわりがあると言われています。
・考え事をしすぎて不安になり、なかなか眠れない
・ショックなことがあって、ずっと考えてしまう
などは誰でも経験したことがあると思います。
しかし心理的なことが原因で眠れない日々が続いてしまうと、不眠症に繋がる恐れがあるのです。

精神的なストレスといっても、マイナス面だけではなく嬉しいことがあった時にも眠れなくなる場合があります。

身体的原因

持病を持っている人は、身体的なストレスが多いですよね。
痛み・しびれ・かゆさ・圧迫感・息苦しさ

これらの身体的ストレスから、発症してしまう場合があります。

【身体的ストレスになりうる病気】
・アトピー性皮膚炎
・生活習慣病
・脳腫瘍
・甲状腺ホルモンの異常
・前立腺肥大症による頻尿など
身体に不快感があるため、ぐっすり眠れない原因になってしまうのです。
はっきりとした原因が分かっている場合は、睡眠薬を飲むよりも持病の治療をすると改善される確率が上がります。

精神医学的原因

精神疾患にかかると、眠りにくくなる可能性が高いです。
精神的なストレスを受けて不眠症になってしまい、心も体も疲れ精神疾患を発症してしまう場合もあります。

精神疾患 なりやすい不眠症の種類
うつ病 中途覚醒・早朝覚醒
双極性障害 中途覚醒・早朝覚醒
統合失調症 入眠障害
不安障害 眠れないという恐怖で入眠障害

精神疾患が原因で不眠症になる場合は、通常の睡眠薬であまり効果がない場合があります。
原因となる精神疾患の症状によって、抗うつ剤や抗精神病薬など適切な薬を使う治療法が推奨されています。

薬理学的原因

服用中の薬の副作用によって、不眠の症状が現れることがあります。
【副作用で眠りにくくなる可能性がある薬】
・抗うつ剤
・ステロイド剤
・パーキンソン病薬
・降圧剤
・甲状腺の治療薬
・喘息の治療薬

上記の薬は副作用で不眠が上げられます。
副作用の現れ方には個人差があるため、必ず眠れなくなるというわけではありません。
しかし新しい薬を飲み始めてから眠れなくなった人は、薬が原因の場合があります。
かかりつけ医に相談してください。

生理学的原因

不眠の生理的原因は、体内時計の乱れや加齢による体の変化が大きく関係しています。

・不規則な生活をしている
・食事の時間がバラバラ
・昼寝が長い
・寝る直前までスマホやゲームをしている
・一日中室内で過ごし、外に出る機会がない
などに当てはまる人は、体内時計が乱れている可能性があります。
自律神経が乱れる原因になるため、不規則な生活を続けていると不眠症の原因になります。

加齢による不眠の原因は、メラトニンです。
メラトニンは体内時計に大きく関係しているホルモン。
10代をピークに減少してしまいます。

加齢がげんいんで眠れなくなった場合、メラトニンを増やすことが大切です。
太陽を浴びるとメラトニンの分泌が高くなるため、お昼にお散歩や日光浴をするのがオススメです。

睡眠のことで悩んでいる人は、早めに治療を受けましょう

不眠が続いてしまうと、悪循環になりどんどん状態が悪くなってしまいます。
①睡眠が取れていないと集中力や注意力が落ちてしまいます。
効率よく行動することができなくなり、場合によっては睡眠時間が少なくなる場合もあります。
②健康状態が悪化
睡眠不足が続くと血圧が上がってしまい、生活習慣病の原因になる可能性があります。
体調不良が続くと、ストレスも増えてしまいます。
③メンタルの不調
睡眠は心を休めるためにとても大切なことです。
睡眠が安定していないと、精神的な病気も発症しやすくなります。

睡眠のことで悩んでおり、日中になんらかの影響がある場合は不眠症を疑いましょう。
病気は早期治療が大切です。
早めに治療を受けて、健康的な毎日を送りましょう。

次回は超短時間睡眠薬・ルネスタの効果について紹介します。